最近手の外科も研修会ばやりである。このようにして知識を得ることは大変結構であるが、知識が先行して技術がこれに伴わない場合、不幸な患者が増加する。『手の外科は知識ではない。知識と訓練に裏づけされた技術である』。そしてheart。知識は視聴覚を通じて容易に伝達されるが、技術の伝達は困難である。それは先輩の手術を盗み、自分も工夫し、経験を積み重ねてゆく以外に方法がない。技術修得のよい方法はないであろうか。幸い当方木森部長の手術はよく計画され、操作も愛護的で無理がなく、さらに新しい知識、技術の導入にも積極的で、教えられるところが多い。そこで、手の外科を志す若い医師の為に、日常行っている部長の手術のビデオ化を行った。なるべく多くの手術収録のため簡略化に努め、各集に10例ばかりの手術を収録した。各ビデオは1時間余のもので、問題点もあろうが繰り返し見て、考えて、知識でなく〝手技の修得〟に利用して頂ければ幸いである。『手の外科とは何か』、『atraumaticとは何か』アプローチ、器具、糸の選定、メス、鋏の使い方、組織の扱い方などには特に注目されたい。現在4巻が完成しているが、あと2-3巻追加したいと考えている。
収録された手術は記載の内容のごとくであるが、作製は我々素人によるものでお見苦しい点も多いかと思われるがお許しを願いしたい。また疑問点など後日討議の場を持つ事も考えている。
津下 健哉
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