Introduction of Department
不整脈の治療には、薬物治療、カテーテルアブレーション治療、ペースメーカー治療などがありますが、ここではカテーテルアブレーション治療を取り上げます。
薬物治療との最大の違いは不整脈を「根治」に導く治療法であることです。薬物は不整脈を「抑える」ことを目的とすると捉えてよいでしょう。
脈が突然早くなったり乱れたりする「頻脈性不整脈」に対して行われ、代表的対象疾患は、心房細動、心房粗動、発作性上室性頻拍症、心房頻拍症、心室頻拍症、心室性期外収縮などです。
鼠径部(足の付け根)や肩の静脈から細い電線(電極カテーテル)を数本挿入し、心臓内の不整脈発生源に対して高周波電流を通電することにより焼灼する治療法です。疾患にもよりますが、多くは静脈麻酔による深い睡眠下に行い、1~3時間程度の治療時間がほとんどです。
土谷総合病院不整脈センターでは、年間300例を超える治療数を維持しており、近年では心房細動に対する治療の比率が増えており、アブレーション治療の7割を超える割合となっています。
アブレーションに使用する機器として、3次元マッピングシステム(Ensite NavX, CARTO)や高周波アブレーション装置、心房細動アブレーションにおいては冷凍凝固アブレーション装置など最新式の機器を使用して治療を行っています。また、治療時は静脈麻酔などを併用して術中の苦痛が最小限になるよう配慮して治療を行っております。