Introduction of Department
消化器内科 部長 荒滝桂子
肝臓専門医として長年診療してまいりました。その前半大部分は、C型肝炎ウイルス(HCV)との戦いでした。それも2014年以降のインターフェロンフリー治療 DAA(直接作用型抗ウイルス薬)により、HCVはほぼ駆逐されつつあります。もちろん、医療機関を受診する機会がない集団にはまだHCV患者が残っているとは思いますが・・
いずれにしても、当院では、大部分を占めていたC型肝炎患者は治癒、「脂肪肝」の比率が大きくなり外来の診療状況はすっかり様変わりしています。要するに患者さん一人ひとりの生活習慣に深くかかわり介入するようになりました。その「脂肪肝」、肝機能数値が高かろうが全く無症状で、あなどられがちです。
しかし「メタボリックドミノ」(図1)をご覧ください。
「脂肪肝」が心血管病、慢性腎臓病などの入り口に位置していることがわかります。そうです!「脂肪肝」を指摘されたときに生活習慣を改善すればドミノは倒れないのです。多くの方は、肥満を合併していますので、当院では、生活習慣の詳細な問診を行い、体組成計InBodyで体組成をチェックし、管理栄養士による栄養指導、理学療法士による身体機能評価・指導、そして行動療法、体内時計に基づいた生活指導と、チームで「減量外来」を行ってまいりました。
その経験を生かして、肝疾患の有無にこだわることなく、皆さまの健康寿命延伸に貢献したいと考えました。
それが「ヘルスサポート外来」です。
ヘルスサポート外来の中身は次の3つです。
①減量外来
②フレイル・サルコペニア外来
→体組成評価、理学療法士による握力測定、身体機能・認知機能評価を行います。必要に応じて、血液検査、骨密度測定を行い、管理栄養士による栄養指導を行います。
③減酒外来
→もちろん最終目標は禁酒ですが、まずは減酒から一歩一歩。
糖尿病、高血圧、脂質異常症など生活習慣病で通院中、でも減量できない、減酒できないと悩んでおられる方も、基礎疾患の加療は通院中の医療機関で継続していただき、運動指導・栄養指導をお手伝いさせていただきます。