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大雨に悩まされた梅雨から、今度は厳しい暑さに代わり、体調をくずしていませんか?
水分摂取はこまめにしましょう。
今回のテーマは HPVワクチン についてです。
2023年7月
子宮頸がんなどの原因となる、ヒトパピローマウイルス(HPV)のことです。
子宮頸がんをはじめ、肛門がん、膣がんや、尖圭コンジローマなど多くの病気の発生に関わっています。
子宮頸部の細胞に異常がない女性の内、10~20%程度の方はHPVに感染していると報告されています。
HPVに感染しても、約90%の確率で、2年以内にウイルスは自然に排除されます。しかし、ウイルスが自然に排除されず、数年から数十年にわたって持続的に感染した場合には、がんになることがあります。
HPVは皮膚や粘膜に感染するウイルスで、200以上の種類(型)があり、この内、主に子宮頸がんの原因となるのが高リスク型のHPV16、HPV18と言われています。
女性の子宮頸部にできるがんのことです。
多くの子宮頸がんは、HPVへの感染が原因です。
HPVに感染しても、すぐにがんになる訳ではなく、いくつかの段階があります。
HPVが持続的に感染することで、異形成を生じた後、浸潤がんに至ることが明らかになっています。
初期の頃はほとんど症状のないことが多いですが、不正出血などが見られることがあります。 進行すると、下腹部痛や腰痛、血尿が見られることもあります。
子宮頸がんは早期発見により比較的治癒しやすいがんですが、他のがんと同様に発見される時期が遅くなると治療が難しくなります。前がん病変(がんになる手前の状態)や子宮頸がんの段階で見つかると、手術が必要となります。
病状によって手術の方法は異なりますが、子宮の一部を切り取ることで、妊娠した時に早産のリスクが高まったり、子宮を失うことで妊娠できなくなったりすることがあります。
子宮頸がんの患者さんは年間11000人程度と報告されており、20代から上昇し、40代でピークを迎えてその後徐々に下降していきます。
子宮頸がんで亡くなる方は年間2900人程度と報告されており、年代別の死亡率は、30代前半から上昇する傾向にあります。
25~40歳の女性のがんによる死亡の第2位は、子宮頸がんによるものです。
HPV感染に起因する子宮頸がん及び前がん病変(がんになる手前の状態)を予防することが出来ると考えられている不活化ワクチンです。日本では小学校6年~高校1年相当の女性を対象に、HPVワクチンの接種を提供しています。
日本国内で使用できるワクチンは、2価ワクチン(サーバリックス