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木々の葉が金色に輝き、冬の訪れを待つ静けさが広がっています。
今回のテーマは 緑内障 です。
2024年11月
緑内障とは、目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経に障害が起こり、ゆっくりと視野が欠けていく目の病気です。治療が遅れると失明に至ることがあります。
症状の進行は非常にゆっくりで、病気がかなり進行するまで自覚症状はほとんどありません。緑内障による視神経の障害は、「眼圧」が上昇することによって引き起こされます。
通常は、目の中で一定量の水(房水)が作られ、それと同じ量が目から流れ出ていくことで、眼圧は一定に保たれています。目の中で作られる房水の量が増えたり、流れ出る量が減ると眼圧は上がり、逆の場合には眼圧は下がります。目を球形に保つためや、目の中の血液の流れをスムーズにするために一定以上の眼圧が必要ですが、眼圧が高すぎると視神経が傷むなどの障害が出てきます。眼圧は10~20mmHgが正常範囲とされています。
緑内障は決して珍しい病気ではありません。日本では、40歳以上の約5%、つまり20人に1人が罹患しているということが分かっています。
⇒緊急の対応が必要
緑内障で失われた視野は戻りませんが、眼圧を十分に下げることで病気の進行を抑えることがわかっています。適正な眼圧は人によって違うため、それぞれ目標眼圧が設定され、通常点眼薬から治療を開始されます。
「房水産生抑制薬」と「房水排泄促進薬」が使用されます。1種類の点眼薬から始め、進行具合によって複数の点眼薬を組み合わせる場合があります。
点眼薬で十分に眼圧が下がらない場合、眼圧が下がっていても視野障害などが進行していく場合には、レーザー治療や手術を行うことがあります。
「閉塞隅角緑内障」の患者さんの薬についての注意点
一部の医薬品では、閉塞隅角緑内障の患者さんが使用すると緑内障が悪化する場合があり、服用禁忌となっているものがあります。緑内障治療中の方は、自分がどの緑内障なのかを知っておき、他の医療機関にかかる際には必ず申し出るようにしてください。
用法は患者様の状態によって異なることがあり、ここでは一般的な用法を記載しています。
【房水の産生を抑制する薬】
【房水の排泄を促進する薬】
【房水の産生・排泄両方の作用がある薬】
※眼科以外の診療を受ける際は、緑内障治療中のことを医師へ必ず伝えましょう。
参天製薬が勧める「基本の点眼方法」を見て、ご自分の点眼方法を見直してみましょう。