Introduction of Department
肝臓病の原因はアルコールと考えていらっしゃる方も多いでしょうか?
実は、我が国の肝臓病の大部分は、B型およびC型肝炎ウイルス感染が原因です。
B・C型肝炎ウイルスに感染すると、慢性肝炎から肝硬変に進行し、肝がんができることもあります。しかも無症状のうちに。
胃がん、大腸がん、肺がんなどは、発がんのリスク因子はわかっているものの、誰が発症するかを明確に予測することは困難です。ところが、肝がんは違います。肝がん患者の約80%はB・C型肝炎ウイルス感染者、すなわち、誰が肝がんになりやすいかわかっているのです。
これで、「B・C型肝炎ウイルスに感染しているかどうか」を知っておくことが重要ということ、理解していただけますよね。
国は、「肝がんになりやすい人を早く見つけて肝がんを撲滅しよう」と、肝炎ウイルス検診を勧めてきました。しかし、まだ国民全員検査には至っていません。また、「肝炎ウイルスに感染している」と診断されても専門医療機関を受診していない方がかなり多いと推測されています。
肝炎ウイルス検診は無料です。広島県のホームページをご覧ください。当院でも無料肝炎ウイルス検査を行っています。遠慮なく北外来ナースステーションに連絡下さい。
B・C型肝炎は、感染しても無症状のまま進行し、肝硬変は肝がんに至る怖い、国内最大の感染症です。しかし、感染しているとわかれば、適切な検査と治療を受けることにより、肝硬変への進行抑制、肝がんの早期発見が可能です。特にC型肝炎はウイルス排除率95%以上の効果の高い薬がありますから根絶も可能でしょう。
ですから、血液検査で簡単にできる肝炎ウイルス検査を受けましょう。
一生に一度でよいのです。
今、このコーナーを読んでいただいているあなた、ご自身の検査を済ませたら、家族、知人にも肝炎ウイルス検査を勧めて下さい。そうすれば、肝炎ウイルス検査の輪が広がり、ついには「国民全員が肝炎ウイルス検査を受けた!」という日が来ると信じています。
もう一度・・・
『まだ肝炎ウイルス検査を受けたことのないあなた、
一生に一度は肝炎ウイルス検査を受けましょう』