秋は抜け毛の多い季節です。これは、夏の紫外線や暑さで頭皮に軽い炎症が起き、これが障害となって、毛髪の成長が阻害され、抜けていくためと言われています。
今回のテーマは、毛髪です。
2007年09月
髪は、毛根でつくられる
食中毒は6月〜8月に多く発生します。この時期には、湿度や気温が高いので、細菌が増えやすくなります。このため、細菌による食中毒が多く発生します。近年、冬の12月〜1月にも食中毒が多く発生しています。これは寒い季節の方が起こりやすいノロウイルスなどウイルス性の食中毒によるものです。また、冬でも暖房で部屋の中が温かいので、細菌性の食中毒にも注意が必要です。春や秋にも食中毒は起こっていますので、1年を通じて注意が必要です。
髪の構造
1本の髪は、大きく分けると3つの層からなり、一番外側を毛小皮(キューティクル)、中間部を毛皮質(コルテックス)、中心部を毛髄質(メデュラ)といいます。
毛小皮(キューティクル)
髪のつやや手触りを左右する部分です。半透明のうろこ状のものが数層重なって、内部を守る働きをしています。最表面にあるため、摩擦にさらされ、傷つきやすいのが特徴。
毛皮質(コルテックス)
髪の質や色を決める部分です。2種類のメラニン色素が含まれ、髪の根元でメラニン色素が作られなくなると白髪になります。
毛髄質(メデュラ)
毛髪の芯の役割を果たしています。
ヘアサイクル
髪は、一定の期間を経ると、自然に抜け落ちます。そして、抜け落ちたところから、また新しい髪が生えてきます。この周期をヘアサイクルといって、女性の場合は、1サイクルが4〜6年、男性は、それより短く、3〜5年。髪1本1本、ヘアサイクルが異なり、脱毛の時期がちがうため、通常は一度にまとめて抜けることはありません。
成長期 約3〜6年(男性:3〜5年 女性:4〜6年 髪全体の85〜90%)
古い髪が抜け落ち、新しい髪が長く、太く成長する時期。髪は、この期間、毛母細胞が活発に働き、3〜6年にわたって育ちつづけます。
退行期 約2〜3週間(髪全体の約1%)
毛母細胞の力が弱まり、髪が成長しなくなる段階。やがて毛母細胞から離れて、完全に成長をやめるまで、この間、約2〜3週間。
休止期 数カ月間(髪全体の10〜15%)
成長が止まった髪は、だんだん上のほうに上がっていき、抜け落ちる準備を。数カ月間、この状態が続き、毛根の奥では、新しい髪をつくる準備が始まり、また成長期へと続きます。
髪は、1カ月で約1cm伸びる
毛髪の成長速度は、一番活発な時期で1日に0.2〜0.5o。1ヶ月では 9〜15oとなります。個人差や部位により、その速度が異なる為、一般的には、1ヶ月=1pと言われる事が多いようです。
1日50〜100本の抜け毛は正常
日本人の髪は、個人差はありますが平均約10万本と言われています。ヘアサイクルから計算すると、抜け毛は1日当たり50〜100本あることになり、この程度の抜け毛は、自然な生理現象といえます。しかし、抜ける量が急に増えたり、抜け毛が異常に細かったり、短かったりしたら、異常脱毛の可能性があります。原因としては、ストレスや加齢、遺伝、体力の減退、ホルモンのアンバランス、ダイエット、フケや皮脂などの汚れ、血行や栄養の障害、薬の副作用などが考えられます。自然な状態で脱毛した毛根は、マッチ棒の頭のように適度に膨んだ状態です。薄毛の方に多い毛根は膨らみが小さくなっており、十分に成長しきれていない状態で抜け落ちます。
AGA(エージーエー)とは?
AGA(エージーエー)とは、Androgenetic Alopeciaの略で「男性型脱毛症」の意味です。成人男性によくみられる髪が薄くなる状態のことです。思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方、または双方から薄くなっていきます。一般的に遺伝や男性ホルモンの影響などが主な原因と考えられています。AGA(エージーエー)は進行性です。何もせずにほうっておくと髪の毛の数は減り続け、徐々に薄くなっていきます。そのためAGA(エージーエー)は早めのケアが大切です。
AGA(エージーエー)の起こるしくみ
AGA(エージーエー)の脱毛部分の頭皮にはDHT(ジヒドロテストステロン)が高濃度にみられ、これがヘアサイクルの成長期を短くする原因物質と考えられています。成長期が短くなることにより、髪の毛が長く太く成長する前に抜けてしまいます。十分に育たない、細い短い髪の毛が多くなると全体として薄毛が目立つようになります。
のむタイプの治療薬
- 成分名:フィナステリド(商品名:プロペシアR錠) ※当院では採用しておりません
- 抜け毛の原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の産生を抑え、抜け毛の進行を抑えます
- 男性における男性型脱毛症のみの適応で、他の脱毛症に対する適応はありません
- 女性の適応はありません
- 治療の効果は、抜け毛が減ったかどうかが効果の目安となり、その判定には6ヶ月の服用が目安となります。
- 医師の診断により処方される医薬品です
※育毛剤(のむタイプ、頭皮につけるタイプ)は、使用上の注意、副作用、禁忌などよくご確認ください。
白髪
毛髪に色を与えているメラニン色素が何らかの原因でつくられなくなると、髪は色を失い、光を反射して白く見えるようになります。これが白髪です。白髪の原因はよくわかっていませんが、加齢ばかりでなく、遺伝も影響しているようです。過度のストレスや栄養不良、高熱、薬の副作用などが関連しているという説もあります。また、白髪を抜いたからといって、増えることはまずありません。同じ毛穴から次に生えてくる髪は、ほとんどの場合、白髪です。無理に抜くと、毛根を傷めることがあるので、抜くのはなるべく避けたほうがよいでしょう。
皮脂の話
頭皮の健康に欠かせない皮脂ですが、それは正常な皮脂分泌量が保たれ、頭皮のコンデイションが良い状態でのこと。過剰な皮脂を放っておくと髪にとって悪影響をもたらします。頭皮は、体の中でもっとも皮脂腺が多く、とても汚れやすい部分。シャンプーで皮脂などの汚れが十分に落としきれていないと、細菌が繁殖し、嫌なにおいを発生させ、かゆみやフケの原因ともなります。また、古い皮脂が、地肌の毛穴につまると、毛根のまわりが炎症を起こし、血行が悪くなりがちです。血行が悪くなると、毛根に栄養が行きわたらないため、抜け毛が増えることもあります。髪の健康のためにも、頭皮を清潔にして、健康に保ちましょう。