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土谷総合病院

土谷総合病院 薬剤部 くすりの窓

2008年が始まりました。今年がよい年でありますように! 寒さも本格化してきましたね。風邪をひかないよう気をつけてください。

今回のテーマは、小児の上手な薬の使い方です。

 

「子供に薬をどう飲ませればいいのか?」「今の薬の使い方は大丈夫なのか?」・・・ そんな疑問や不安を持ったままにしていませんか??  お子様のために本当によい治療をしていくためには、保護者の皆様が薬を上手に使えることが大切です。

2008年01月

飲み薬

乳児の場合(1ヶ月〜1歳未満)

お腹がいっぱいだと、薬を飲まなかったり食べ物と一緒に吐いたりすることがありますので、授乳の前に飲ませてください。また、だいたいの時間を決めて飲ませるのが良いでしょう。

粉薬
  • お腹がいっぱいだと、薬を飲まなかったり食べ物と一緒に吐いたりすることがありますので、授乳の前に飲ませてください。また、だいたいの時間を決めて飲ませるのが良いでしょう
  • 1回分ずつ、少量の水や湯冷まし、ミルクなどに溶かし、スプーンやスポイドで口のわきから頬の内側に少しずつたらすようにして飲ませます。溶かす量が多いと嫌がって全部飲まないことがあり、結局薬も全部飲めないことになってしまいますので注意しましょう
水薬・シロップ
  • まずよく振って、1回分をカップやコップにとり、薄めたりせずそのままほ乳瓶の乳首の中に薬を少しずつ入れて吸わせたり、スプーンやスポイドで口のわきから頬の内側に少しずつたらすように飲ませます
粉薬と水薬がある場
  • 飲ませる直前にそれぞれ1回分を混ぜて、粉薬と同じように工夫して飲ませます
幼児の場合(1〜5歳)

なるべく他のものに混ぜず、そのままお白湯で飲ませる習慣をつけましょう。

どうしても薬を嫌がるときは、無理強いせず、子どもの好きなものに混ぜるなど、工夫して飲ませてもかまいません。

飲ませる時間は基本的に食前食後どちらでもかまいません。飲める時間帯に飲ませることが大切です。言い聞かせてわかる年齢の患児には、なぜ薬を飲まないといけないのかという理由をわかるように説明することが大切です。

粉薬や水薬を嫌がるとき
  • 飲ませる直前に、1回量を好みに応じてジュース、牛乳、ヨーグルト、スポーツ飲料、プリン、ジャム、コンデンスミルクなどに混ぜます。ただし、一口で飲める量に混ぜるようにしましょう。基本的には何に混ぜても問題はないですが、なかには苦みが増すなど、味が悪くなることや相互作用のあるものもあるので注意が必要です
  • オブラートや嚥下補助ゼリーを利用することもひとつの方法です
  • お薬を飲ませた後、好きな飲食物・甘味料を与えましょう
錠剤・カプセル
  • 誤嚥しないように注意し、特別に指示のない限り、噛み砕いたり、カプセルをはずさないようにしましょう。コップ1杯程度の十分な量のお白湯で飲ませるのが好ましいですが、基本的には何で飲ませてもかまいません
薬の保管
  • お子様が誤って飲んでしまわないように、食べるものとは区別して手の届かないところに保管してください
  • 粉薬や錠剤・カプセルは乾燥剤を入れた缶やビニール袋などに入れ密封して湿気を防ぐように保管しましょう。水薬やシロップ、坐薬は冷蔵庫に入れておきましょう
薬を飲み忘れたとき
  • 気がついたらすぐに飲ませて下さい。ただし次回の服用時間が近い場合は1回分とばしてください。1度に2回分をまとめて飲ませてはいけません

※注意:喘息用薬や抗てんかん薬の場合は、勝手に判断せずに、医師の指示に従ってください

薬を飲んだけれど、吐いてしまったとき

錠剤の場合

  • 形がそのまま残っているときは、もう1度1回量を飲ませてかまいません。形が崩れていたら、薬は飲ませず様子をみてください

粉・シロップの場合

  • 飲んだ直後に吐いたら、もう1度1回量を飲ませてかまいません。5〜10分経っていれば、薬は飲ませず様子をみてください

※注意:喘息用薬や抗てんかん薬の場合は、勝手に判断せずに、医師の指示に従ってください

坐薬

肛門や坐薬の先端に水やオリーブ油、ベビーオイルなどをちょっとぬってあげるとするりと入ります。それから肛門にティッシュをあててしばらく(1〜2分)押さえます。挿入時の刺激で便意をもよおし坐薬が排出されてしまうことを防ぐため、できるだけ排便をすませてから挿入するのが良いでしょう。

挿入後排出されてしまったら??

挿入直後や形がほとんど残っているとき

新しい坐薬を入れなおしても良いです

挿入後10分以上経過している、または原形がないとき

お薬は吸収されているので少し様子をみてください

1回の使用量が1個未満のとき

1回使用量が1/2個や3/4個などのときには、包装のまま清潔なはさみやナイフなどで斜めに切り使用します。切り取り残ったものはラップなどに包んで冷蔵庫に保存し、2〜3日中に使用しないときは捨てて下さい。

2種類の坐薬を同時に使用するとき
解熱剤と痙攣止め

痙攣止めを使って、30分以上間隔をあけて解熱剤を使います。

解熱剤と吐き気止め

吐き気止めを使って、30分以上間隔をあけて解熱剤を使います。

使用しなかった座薬について

坐薬は緊急用に使うことが多いため、使用しなかった坐薬を冷蔵庫にとってあることが多いですが、発熱の原因は様々であり、素人療法で坐薬を使って熱を下げすぎて良くないこともあります。使用せず、医師に診断してもらい、その指示通り対処することが大切です。

「解熱剤」の使い方

熱が38.5℃以上あるときで、熱のために機嫌が悪い、しんどい、ぐったりしている、眠れない、水分や食事がとりにくいというようなことがあれば使いましょう。

6〜7時間後、38.5℃以上の時には再度使用してもいいです。しかし1日3回までにしましょう。

※注意:38.5℃以上はあくまで目安です。全身の状態をみて判断しましょう

目薬

  • 手を清潔にし、閉じたまぶたを開けたときをねらって、容器の先がまつげに触れないようにさします。きちんと入ったか分からない時は、もう一度さし直してもかまいません
  • 病院でもらった目薬は保存がききません。保存方法を守って、期限を過ぎたら捨てるようにしましょう

ぬり薬

  • 手を清潔にし、ぬり薬を指先に取り患部に薄くのばしてぬります。またガーゼや絆創膏にのばしてぬってから患部にはりつけます。ぬり過ぎは良くありません
  • チューブから直接患部にはぬらないでください
  • 以上の内容はあくまで目安です。医師の指示がある場合はそちらに従うようにしてください
  • お薬は医師の指示通りきちんと飲みきるようにしましょう。残ったお薬を次の機会まで保管し、飲ませたり使用することはやめましょう
  • お薬はそのお子様のためだけに処方されています。他の人(兄弟、姉妹など)にそのお薬を飲ませたり、使用したりすることはやめましょう
  • いろいろ工夫してみてもお薬を嫌がるときは、医師や薬剤師に相談してください