じめじめしてうっとうしい梅雨がやってきますね。天気が悪いと体調を崩しがちですので気をつけましょう。
今回のテーマは、たばこの害についてです。
平成20年4月より、当院は敷地内全面禁煙となりました。 また、未成年者喫煙防止対策として、「taspo(タスポ)」がなければ自動販売機でたばこを買えなくなるなど、規制が増えてきています。
2008年05月
たばこの煙について
たばこの煙からは、現在分かっているだけでも4000種以上の化学物質が発見されています。そのうち、有害であると確認されている物質は200種を超え、発がん性物質は40種近くあります。
たばこの煙はたばこ自体を透過して喫煙者が吸い込む主流煙と、たばこの点火部から立ち昇る副流煙に分かれます。有害成分の量は副流煙の方が多く、喫煙者の周囲の人が煙を吸い込んでしまう受動喫煙が問題視されるようになったのはこのためです。
ニコチン
血管が収縮してしまう!
ニコチンは体の毛細血管を収縮させる働きを持っています。心拍数の増加・血圧上昇などがおこったり、血液の流れを悪くし動脈硬化を促進させることから、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患にかかりやすくなります。
その毒性は青酸並み!
初めてたばこを吸うと頭がくらくらしたりせきこんだりします。ひどいときは気分が悪くなったり、鼓動が早くなって冷や汗をかいたりします。これはニコチンの急性中毒症状です。
タール
発がん物質が含まれています!
フィルターに茶色く付着するいわゆるヤニのようなべっとりしたものの総称をタールといいます。タールには、発がん性物質の代表として有名なベンツピレンを筆頭に、数十種類近くの発がん性物質が含まれています。タールを少量ずつ、毎日ウサギの耳に塗りつづけると、やがてその部位の皮膚にがんが発生していくことが実験によって証明されています。同様に1本のたばこに含まれるタールの量はごくわずかでも、それが長年月にわたって蓄積されていくことによって、ついにはヒトも発がんに至るのです。
一酸化炭素
酸素の運搬に障害!
よく火事のニュースなどの時に一酸化炭素中毒というものになって死亡ということを聞きます。そのときに使われる一酸化炭素と全く同じものです。赤血球のヘモグロビンと結合しやすい性質(酸素の200倍)を持っているため、この物質が増えると酸素が充分に運ばれなくなってしまい、心臓への負担や、脳の働きの低下の原因になってしまいます。
たばこの煙について
煙の害というと、多くの人たちは肺がんを連想します。確かに喫煙は肺がんの重要なリスクファクターですが、他の多くのがんのリスクも高めているだけでなく、がん以外の、体のあらゆる部位の疾患にも影響しています。
世界保健機関(WHO)などによる試算では、世界中で年間約300万人が、たばこが原因で死亡しており、現在の喫煙傾向が続くと、20〜30年後にはそれが年間約1000万人になると予測されています。
日本でたばこが原因とされる死亡数は、2000(平成12)年には114,200人(男性90,000人、女性24,200人)に達しています。20年で約2倍に増加したことになり、この傾向はさらに続くことが予想されています。
ニコチンの致死量は?
急性ニコチン中毒の発生原因として、日常最もよく見られるのが、乳幼児による誤飲です。1本のたばこは15〜20mgのニコチンを含有しています。乳幼児の致死量は10〜20mgですから、たばこ1本分のニコチンをまるまる摂取すると極めて危険です。
実際には、たばこを飲み込んでもニコチンの催吐作用によって、たばこを吐き出してしまうので、重症となることはまれともいわれています。それでも危険であることは明らかです。もしも子供が誤飲した時は、湯冷まし、牛乳などを飲ませて吐かせると効果的です。
大人の中毒量は1〜4mg、致死量は30〜60mgとされていますが、たばこ1本の喫煙では平均で3〜4mg吸収します。
危険!「吸わされる」たばこ
急性ニコチン中毒の発生原因として、日常最もよく見られるのが、乳幼児による誤飲です。1本のたばこは15〜20mgのニコチンを含有しています。乳幼児の致死量は10〜20mgですから、たばこ1本分のニコチンをまるまる摂取すると極めて危険です。
実際には、たばこを飲み込んでもニコチンの催吐作用によって、たばこを吐き出してしまうので、重症となることはまれともいわれています。それでも危険であることは明らかです。もしも子供が誤飲した時は、湯冷まし、牛乳などを飲ませて吐かせると効果的です。
大人の中毒量は1〜4mg、致死量は30〜60mgとされていますが、たばこ1本の喫煙では平均で3〜4mg吸収します。
危険!「吸わされる」たばこ
さらに、煙には主流煙と副流煙の2種類があります。皆さん、「受動喫煙」について、聞いたことがありますか?これは、自分の意思とは無関係に、他人のたばこの煙(副流煙)を吸わされることをいいます。
ここで注目したいのが、副流煙の方が主流煙よりはるかに有害だということです。
たばこを吸う人は、フィルターを通して吸うことと、たばこの燃焼温度の関係で有害物質は少なくなりますが、たばこを吸わない人は、喫煙者本人以上に有害な煙を吸ってしまうという皮肉な状況なのです。
- 夫が1日20本以上喫煙するときの妻の肺がん死亡率(夫が非喫煙者である場合を1.0とする):1.91倍
- 家庭内にたばこを吸う人がいる子供の気管支喘息の発症率(吸わない家庭を1.0とする) :約3倍
Taspo(タスポ)について
未成年者の喫煙防止の取り組みは、社会全体の要望であることはもちろん、たばこ業界としても最重要課題として位置づけられています。
そこで、未成年者の喫煙防止対策の一環として、2008年より「taspo(タスポ)」対応の「成人識別たばこ自動販売機」が導入されます。この自動販売機を利用する際には、成人のみに発行されるICカード、「taspo(タスポ)」が必要になります。自動販売機に「taspo(タスポ)」をタッチして、成人であることを確認できなければ、たばこの購入ができません。
薬とたばこの関係
薬が体に入ると、肝臓で代謝(薬の形を少し変えて、腎臓から排泄されるようにすること)されて、体からなくなっていきます。肝臓で代謝するときの一番の働き者が、薬物代謝酵素です。薬物代謝酵素はチトクロームP450という変わった名前です。この酵素は、薬を代謝するための蛋白質ですが、この酵素を出しやすくする薬(または物質)と、この逆にこの酵素を出しにくくする薬(または物質)があります。薬の相互作用とは、薬と薬(または物質)の飲み合わせで薬が効かなくなったり、効きすぎたりすることが起こることですが、相互作用が起こる一番多い原因は、この酵素を増やしたり減らしたりするためなのです。
たばこを吸っていると、喘息の薬(気管支拡張剤)のテオフィリンなどの効果が半減します。喫煙は薬物代謝酵素をたくさん出す物質なのです。そのため薬が体から速く排泄されるようになり、薬が効かなくなります。逆に、同じ量の薬を飲んだままの状態で、突然禁煙すると、本当ならそんなにたくさんの薬がいらない状態なのに、多い薬を飲んだままになるので、テオフィリンの中毒症状が現れることがあります。もしテオフィリンを飲んでいてたばこを吸っている方が(これ自体好ましくない事ですが)、禁煙したりたばこの量を減らしたら、必ず医師にそのことはお話下さい。せっかくたばこを止めたり減らしたのに、中毒症状が出たら残念ですし、また薬の量が減らせるかもしれません。
禁煙補助剤
●禁煙を助ける禁煙ガムと禁煙パッチ
依存度の強い喫煙から抜け出すために注目を浴びている禁煙方法が、ニコチン代替療法です。主なものが禁煙ガムと禁煙パッチです。禁煙にチャレンジしてみた人はご存知でしょうが、禁煙でつらいのはニコチンの攻撃による離脱症状と、生活習慣化した精神的依存から抜け出すことです。禁煙補助剤はいずれもニコチンを含有しており,噛んだり貼ったりしますとニコチンが体内に入ってきますので、たばこを吸わなくても離脱症状を自覚することが少なくなるというわけです。
あなたも禁煙に挑戦しよう!
教えます! 禁煙のコツ
- 禁煙開始日を決める(長期休暇の前や仕事の忙しくない時期がお勧め)
- 軽い気持ちで休煙から始めてみる
- やめたい理由をはっきりと
- 禁煙の決意をみんなに公表しよう
- キッパリとやめよう
- 誘惑の多い場所は避けよう
- 吸いたくなったら気をそらそう
- 3日、1週間、1ヶ月節目節目に家族でお祝いをしよう