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土谷総合病院

土谷総合病院 薬剤部 くすりの窓

若葉の色が美しい季節となりました。

今回のくすりの窓は 一般用医薬品 についてです。

2011年05月

一般用医薬品

平成21年6月1日から一般用医薬品(大衆薬)の販売方法が変わりました。

薬には処方箋に基づいて受け取る医療用医薬品のほかに、街の薬局などのお店で直接購入できる一般用医薬品があります。

自分にあった一般用医薬品を安心して購入し、使えるように、リスクを最小限に抑え、効き目が最大限に発揮できるよう、医薬品のリスクの程度に応じて専門家がアドバイスするなど次のような一般用医薬品の販売制度が施行されました。

  1. 一般用医薬品のリスク区分
  2. 購入時の専門家による情報提供
  3. リスク区分に関する外箱等の表示
  4. 医薬品の陳列方法
  5. 店舗における販売体制
  6. 店舗における掲示事項
  7. 通信販売に関する規定の整備

これらに関して今回は詳しく説明していきたいと思います。

一般用医薬品のリスク区分

リスクの程度に応じて一般用医薬品を3つに分類します。

一般用医薬品のリスク区分
購入時の専門家による情報提供

一般用医薬品を販売するには、薬剤師または登録販売者の配置が求められるようになりました。薬局で働く従業員は「薬剤師」「登録販売者」その他従業員の違いが分かるように着衣・名札を付けるように決められているため、普段利用している薬局で確認してみてください。

登録販売者ってなに??

都道府県知事の行う試験に合格し、登録を受けた専門家のことです。

第2類医薬品と第3類医薬品についての効能・効果・副作用などの知識を持っているため、第2類医薬品と第3類医薬品について販売したり、相談にのることができます。

薬剤師ってなに??

薬剤師は、大学の薬学部を卒業し、薬剤師国家試験に合格して与えられる資格です。

医薬品全般について、幅広い知識を持つ薬の専門家です。薬局や医療機関で処方箋に基づく調剤や患者さんへの服薬指導を行うほか、医療用医薬品から一般用医薬品まで、すべての薬を販売したり、相談にのることができます。

リスク区分に関する外箱等の表示

購入する人から見て分かりやすくするために、外箱や直接の容器等にその分類が表示されています。

第1類医薬品

:第1類医薬品→特にリスクが高いもの

第2類医薬品

:第2類医薬品→リスクが比較的高いもの

特定第2類医薬品

:特定第2類医薬品
→第2類医薬品のうち、特に注意を要する成分を含む医薬品として指定するもの

第3類医薬品

:第3類医薬品→リスクが比較的低いもの

医薬品の陳列方法

リスク区分ごとに分けて陳列されます。第1類医薬品は販売側から購入者へカウンター越しに医薬品を手渡すような陳列にしているため、購入する人が直接手に取れない場所に陳列されています。

店舗における販売体制

店舗において医薬品を販売する営業時間中は、店舗内に常時、薬剤師または販売登録者が従事しています。また、第1類医薬品を販売する店舗においては、第1類医薬品を販売する時間中は店舗内に常時、薬剤師がいます。なにか気になることや質問があれば薬剤師または販売登録者に聞いてみましょう。

店舗における掲示事項

購入する人から見て分かりやすく、実用性のある販売制度とするため、店舗内に次の項目が掲示してあります。

  • 第1類、第2類、第3類医薬品の定義・解説
  • 第1類、第2類、第3類医薬品の情報提供に関する解説
  • 相談時の対応方法に関する解説
  • 営業時間および営業時間外に相談対応できる時間など
通信販売に関する規定の整備

インターネット販売を含む通信販売が可能な一般用医薬品は、第3類医薬品に限られています。

薬を安全に使うために

薬の記録を残しましょう

自分の使っている薬の記録をつけておくと、医師や薬剤師に薬の名前などを正確に伝えることができ、安全性が高まります。病院でもらっている薬、薬局でもらった薬、普段から使っている一般用医薬品等について、薬の名前や服用時間、服用して気づいた点などを‘‘おくすり手帳’’に記入しておきましょう。薬剤師に頼んで記入してもらっても良いです。

副作用−注意が必要な場合
  • 特異体質(アレルギー)のある人
  • 過去にひどい副作用を経験している人
  • 肝臓や腎臓などに疾患のある人
  • 他にも薬を飲んでいる人
  • 妊娠や授乳をしている女性
  • 仕事などで特別な環境にある人(例:高所作業者、ドライバー)

副作用は必ずあらわれるというものではありません。しかし、上記のような人には特に注意が必要ですので、薬の使用にあたっては薬剤師などに相談するようにしましょう。また、あらかじめ起こりうる副作用やその初期症状・対応方法について聞いておくことも重要です。

何か異常を感じたら・・・

薬の使用中に異常を感じたら、すぐに医師や薬剤師に相談してください。

薬の種類によっては、自己判断で急に中止すると危険な場合もありますので注意が必要です。医師や薬剤師に相談する場合は

「何という薬を、どれくらいの量・期間使用し、どのような症状がでたか」

を分かるようにしておいてください。

薬の正しい使い方

説明文書

説明文書には、用法・用量、効能・効果などのほか、使用上の注意、副作用に関することが記載されています。必ずよく読んでから使用する習慣を身につけてください。また、説明文書は保存しましょう。

服用時間

薬はそれぞれ定められた時間に飲まないと効果が現れないことや、副作用を生じることがあります。必ず、定められた時間に飲みましょう。

食前:

食事の30分くらい前

食後:

食事の30分以内

食間:

食事と食事の間のことで、食後2時間くらいに服用するのが目安

用法用量

薬は定められた量より多く飲んだからといってよく効くものではありません。多く飲みすぎることによって副作用があらわれることがあります。自分で勝手に判断せず、定められた用法・用量を守ってください。

薬の飲み合わせ

2つ以上の薬を併用すると、その種類によってお互いに影響し、効かなくなったり・効きすぎたりすることがあります。それによって、期待する作用が現れにくくなったり、また、思わぬ副作用が現れたりすることで、適切な診療の妨げになることがあります。

例えば青汁やクロレラ・セントジョーンズワートなど薬局で売っているものと薬との飲み合わせが良くない場合があります。病院にかかるとき、薬を買うときには、今使っている薬やサプリメントなどを必ず医師や薬剤師などの専門家に伝えてください。

医薬品である以上、一般用医薬品であっても、副作用が起こるリスクはゼロではありません。薬を購入する際には、薬剤師などの専門家に相談することが大切です。