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土谷総合病院

土谷総合病院 薬剤部 くすりの窓

年が明け、いよいよ寒さも本格化してきました。

今回のくすりの窓は 感染予防 についてです。

2012年01月

最初に

風邪やインフルエンザから体を守る為には手洗い、うがいはとても大切です。

寒い季節になると風邪をひかないよう気をつけているのに、なぜかすぐに風邪を引いたり、何度も引いてしまうことがあります。普段の生活習慣と感染症は大きく関係があります。

感染と手洗いについて

風邪やインフルエンザなどの感染症をおこす微生物は手指、空気、咳、くしゃみなどの様々な感染経路によって人の体に影響を及ぼします。中でも1番人に影響を与えるのは手指による経路です。バス、電車のつり革や公共の電話、パソコンのキーボードなど不特定多数の人が触れるところには目に見えない、ウイルスや菌がたくさんついています。そこを他の人が触れ、その手で無意識にまた別の場所を触れることで広がっていきます。この為手洗いは感染症にかからない為にはとても大切な習慣といえます。

予防策について

大きく分けて3つの具体的方法があります。

  1. マスク着用
    感染者から咳やくしゃみで飛散した呼吸器飛沫による感染を防ぎます
  2. 咳エチケット
    咳、くしゃみの時、ティッシュなどで口と鼻を押さえ、周囲の人から顔をそらす。使用したティッシュはすぐにゴミ箱に捨てましょう。その後すぐに手洗いをします。手洗い前は不用意に周囲に触れないようにしましょう
  3. 手洗い、消毒、うがい
    手指等や口からのウイルスや菌からの感染を予防します

感染を広げないために、一人一人が「感染しない」「感染を拡げない」ことを意識して、予防策を実施する事が大切です。

マスク着用について

  • マスク着用の際は隙間がないように皮膚と密着させるように着用します。この時鼻の穴が露出したり、隙間があったりすると予防の効果が低下します
  • 使用したマスクは、装着だけでなくはずし方、破棄にも注意が必要です。破棄するマスクにはウイルスや菌の付着が考えられる為です

手洗いの目的

‘本人および周りへの感染の予防’ が手洗いの目的です。 流水と石鹸による手洗いは付着したウイルスを除去し、感染する危険性を下げます。また、60〜80%の濃度のアルコール製剤に触れることによってほとんどのウイルスは死滅します。

手洗いのポイント

インフルエンザウイルスはエンベロープという脂の膜をもっています。エンベロープは手洗し、その後消毒用エタノールなどのアルコールによって簡単に壊されます。エンベロープを壊されるとインフルエンザウイルスの感染性がなくなります。

石鹸と流水が使用できないときや汚れが明らかでないときは、アルコール製剤を用いると良いかもしれません。

お湯の使用や、頻繁な手洗い、手指消毒は手荒れに繋がることあるので手肌のケアも考えることが必要です。

うがいはなぜ必要か

うがいは洗浄効果をもたらし、口から侵入してくる殺菌やウイルスなどに効果を発揮します。うがいによって感染症を防いだり、口臭を防いだり、虫歯や歯周病を防ぐのもこれらの効果と関係があります。

当院にあるうがい薬の例

アズノールうがい液

5〜7滴(4〜6mg)を、適量の水又は微温湯に溶解し、1日数回うがいします。また消炎作用があるので、のどの痛みにも効果があります。

イソジンガーグル液

用時15〜30倍に希釈し、1日数回うがいします。消毒作用があり、また口からの感染予防や口臭を予防できます。

まとめ

以上のような予防をしっかりしていても、感染を100%防ぐ事は出来ません。日頃から食事や運動などの生活習慣を見返し、病気に負けない体を作っておくことが大切です。