爽やかな好季節となりました。
今回のくすりの窓は ストレス についてです。
2012年05月
ストレスとは?
ストレス源によって引き起こされる身体や精神のひずみのことを指します。
ストレスの原因
どうしてストレスは溜まるのでしょうか?環境や人間関係、家庭の事など悩み事や疲れを溜めることによって、これらがストレスという形になって、身体に症状として現れてくるのです。また本人の性格も重要な因子で、同じストレスがかかっても、それが非常に負担になる人もあれば、うまく乗り越える人もいます。
主な原因として
- 物理的要因
- 科学的要因
- 生物学的要因
- 心理的要因
が考えられます。
ストレスを溜め込みやすい人の特長として生真面目タイプの人、完璧主義で几帳面な人、気を使いすぎる人があげられます。
ストレス状態の兆候
ストレス状態のある時に様々な症状が現れます。
1. 全身症状
疲れやすい、体がだるい、気力が沸かないなど
2. 睡眠障害
寝つきが悪い、眠りが浅い、早く目覚め、再び寝付けないなど
3. 消化器系症状
食欲不振、胃がもたれる、吐き気、嘔吐、よく下痢をする、便秘になりやすいなど
4. 循環器系症状
心臓がドキドキする、胸が痛くなる
5. 筋肉系症状
肩がこる、首がこる、手足がだるい、関節痛、偏頭痛
6. 感覚器系症状
目が疲れやすい、めまいがするなど
ストレスによる代表的な疾患
心身症
こころの病気ではなく、こころが原因で身体に起こる病気。つまり心身症はストレスが身体化したもので、色々な因子が密接に関わって起こる体の病気のことです。 人それぞれ現れる器官は異なりますが、本人の1番弱い部分に現れる説が有力と言われています。
気分障害
心や身体の働きが極端に低下し、日常生活に差し支えるような状態に陥る病気。誰もがかかりうる病気で、なおかつこじらすと厄介な病気である為、こころの風邪とまで言われる現代病の1つです。
憂鬱、物悲しい、悲観的、イライラなどの基本的精神症状に加えて、睡眠障害、食欲不振、の身体的症状がほとんどの人に現れます。
不安障害
ストレスがこころに現れる影響で心身に様々な症状を引き起こす病気で、これまでは神経症と称されていました。身体的、精神的両面にわたり症状が多彩だけど、不安が中核にあるのが共通に見られます。
予防法
ストレスは溜めないことが1番です。
あせったり、悲観的にならないで、マイペースで新しい生活に慣れれば良いとゆっくりと構えることが大切です。
- 入浴でリラックスする
- 休養を取るようにする
- 趣味やスポーツなどを始める
ストレスが溜まってしまったら
新しい生活や人間関係に慣れてきたり、ストレス解消が上手くなってくると、1〜2カ月で抜け出せます。ストレスを解消し、ゆっくりと休む事を心がけましょう。そこで重要なのが「あせらない」事です。自分のペースでできる事から少しずつやっていきましょう。
しかし、上手く気持ちの切り替えができないと、無気力状態がずっと続いてしまい、さらに症状が悪化してしまうと、引きこもりやうつ状態が現れることがあります。症状が進んで、不安、焦乾、うつ状態が強い場合には、専門医を受診する事を考えてみるのも大切です。一時的に抗うつ薬、抗不安薬、漢方薬などを使うことも有効です。また、日々の生活でストレスを防ぐ食事をとることも有効と考えられます。
ストレスが溜まるのを防ぐ栄養素
ビタミンB群
精神的ストレスが溜まってしまうと、体内のビタミンの消費も普段より多くなります。精神的ストレスに効くビタミンであるビタミンB群の不足があげられます。鶏のレバーであったり、サツマイモやそば、落花生に多く含まれます。
ビタミンC
ビタミンCは大切な栄養素です。ビタミンCを摂取することでストレスに対しての免疫力を高めることが出来ます。イチゴやオレンジ、柿やピーマン、レンコンなどといったものに多く含まれています。
カルシウム
ストレスによって起こるイライラの原因というのはカルシウム不足が考えられます。カルシウムというのは心の安定剤ともいわれていて、不足するとイライラしやすくなってしまいます。牛乳やチーズ、豆腐や小松菜、干し海老、そして骨まで食べれる魚類に多く含まれます。
マグネシウム
筋肉や神経が正常に働く為に重要な役割を果たしています。マグネシウムをとることで無気力状態やうつ状態を改善していく働きがあります。
ストレスと漢方薬
ストレスに効く薬は沢山ありますが、今回は漢方薬を紹介します。
半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)
ストレスによる消化器症状(不安、胃炎、胸や喉のつかえ感、食欲不振)によく用いられます。
抑肝散(ヨクカンサン)
怒りっぽい人、虚弱、体力中等度の人で、イライラや神経症、不眠症に用いられます。
加味逍遥散(カミショウヨウサン)
肩がこり、疲れやすい人で精神系症状、便秘、冷え症に血色の悪い人の貧血、不眠症、更年期障害、神経症に用いられます。
柴胡加竜骨(サイココツボレイトウ)
体力があり、イライラなどの精神症状のある人の神経衰弱、不眠症状によく用いられます。
半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)
悪心、嘔吐があり、食欲不振のある人の胃炎、神経症、消化不良に用いられます。
漢方は症状によってだけでなく、体力、体質などから最適なものを選んで服用するものですので、漢方に詳しい医師に相談し、正しく服用することが大切です。